前回の記事で、熱中症予防についてお伝えしましたが、熱中症に、特に注意したい人がいます。
それは熱中症にかかりやすいこどもや高齢者、基礎疾患のある方です。
こども
大きく2つの理由があります
自律神経が未熟
子供は自律神経が未発達なので、体温調節機能が大人より低いです。そうすると、体の中に熱がこもりやすく、熱中症になりやすいのです。
輻射熱の影響
また、こどもは大人より身長が低く、輻射熱の影響を受けやすいです。これは、地面に近い方が気温が高くなり、大人が暑いと感じる時、こどもはさらに暑い環境にさらされています。
ちなみに、発表されている気温は地表から150㎝のところで測ったものなので、それよりさらに高い温度のところに子供はいると思ってください。
温が高い日に散歩等をする場合、身長の低い幼児は大人よりも危険な状態になります。その理由は晴天時には地面に近いほど気温が高くなるからです。
通常気温は150cmの高さで測りますが、東京都心で気温が32.3°Cだったとき、幼児の身長である50cmの高さでは35度を超えています。また、さらに地面に近い5cmは36°C以上でした。
大人が暑いと感じている時は、幼児はさらに高温の環境にいることになります。
環境庁 熱中症を防ぐためには「熱中症環境保全マニュアル2018」
高齢者
高齢者は成人に比べて容易に脱水症状になりやすいと言われています。これはいくつか原因が挙げられますが、大きく下記2点が考えられます。
- 加齢に伴う水分量の低下
- 感覚機能の衰え
加齢に伴う水分量の低下
成人は全身に占める水分量が約60%ですが、加齢に伴って減少し、高齢者になると水分の割合が成人に比べて低くなり、約50%となります。つまり成人に比べて容易に脱水になりやすいのです。
脱水になると汗をかく機能が低下して、体温調整が困難となってしまいます。
感覚機能の衰え
また、高齢になると感覚機能が衰えてくるので、喉の乾きを感じにくくなったり、暑さに対して鈍感なったりするため、水分を取る量が少なく脱水になりやすい点もあります。
予防のポイント
通常の熱中症対策は常に有効ですが、子どもや高齢者は自分で気づかない・気づきにくいことがわかります。つまり、まわりの我々が気にかけ、声かけをしてあげることがとても重要になります。
- 水分補給できていますか?
- 体調は大丈夫ですか?
- 服装は暑すぎませんか?
など、とにかく声をかけて・気にかけていくことが重要です。
なかなか自分では気をつけられない部分が出てくるので、顔色や体調の変化に気づいてあげたり、衣服の調節や水分摂取の声がけなどをしてあげましょう。
みんなの声かけで、みんなで熱中症予防ができるといいですね!!
環境省 熱中症環境保健マニュアル2018
https://www.wbgt.env.go.jp/pdf/manual/heatillness_manual_full.pdf
環境省 熱中症
https://www.wbgt.env.go.jp/pdf/heatillness_leaflet_senior.pdf
日本救急医学会 熱中症予防に関する緊急提言
https://www.jaam.jp/info/2018/pdf/info-20180720.pdf
厚生労働省 経済産業省 環境省
高齢者のための熱中症対策
https://www.wbgt.env.go.jp/pdf/pr/heatillness_leaflet_senior_2021.pdf